霧を払ってくれたあなたは、きっと分かっている。

別に全然いいのだが、なぜこのタイミングなのか不思議なので少し聞いてみることにした。

「全然構わないんだけどさ…急にどうしたの?」

「うーんいや今日羽雲羽田雲堂で話していた時ぐらいからずっと言おうと思っててさ、ほら俺のこと括史くんって言うんだから俺も名前呼びしたいなって」

とだからさっき私のことを見ていたのかと心の中で納得していた。

と言うか羽雲羽雲堂からずっと思っていた事にビックリした。

普通に言ってくれても私は別に構わなかったのだが、あっちからしてたら少し言いにくいんだろうなというもの分かる。

「あと括史くんじゃなくて括史って呼び捨てで呼んでほしいな」

「え、じゃ…括史?」

「うんなんかしっくりくるね。ありがとう岡内さ…じゃなかったえー霧美?」

お互い初めての名前呼びに少しぎごちなかったがすぐにそんな感情も抜けなんだか面白く私達同時に吹き出してしまった。

「なんだか面白いね」

「ね、私もそう思ってた」

互いに笑いあって私はさん付けじゃないんだと思わずツッコむと彼は、あ、そうだったと今更気が付いたようで更に笑いが増してしまっていた。

「じゃ本当にまたね」

「うん、またね」

私達は互いに別れの言葉を交わして今度こそ家に帰った。