「それってさ、あー……さっきの由紀恵の呼び出しの件もだけど、半分はやっかみだよね。嫉妬心。例えば、バスケで言うと……みんな“井の中の蛙”だったわけミニバスでは上手いとか褒められて上機嫌で中学に入学してバスケ部に入る、全然なわけ。成長期の体格差もあるしね。挫折する。クサクサする。挫折せずに上手くいく奴に嫉妬する。言わば、自分のうまくいない事を相手にぶつけて捌け口にしてるだけだよ。誰かを蹴落としてメンバーになれたとしても、また違う誰かが出てきたらまた蹴落として……蹴落とすことに必死になって、やってることがバスケじゃあなくなるんだよね」

「ああ、俺……怪我して入院した時、『あいつ入院したんだ、ラッキー』って言われた。因みに、それでダメになった。それも仲良かったつもりだった奴に言われたなあ。怖くなってさ。でも……今ならわかる気がする。上目指すならそんなのもチャンスだって思わなきゃならないんだって。そうするには自分は弱すぎた」
山地くんにそんな事があったのは意外だった。

「りっくんはサッカーだっけ? 」
「そ、足やっちゃって、怪我は治ったけどサッカーはやめちゃった」
「チーム、だからね。ラッキーなのかもしれない、個人的にはね。でも……やっぱりチームワークにひびは入るよ」

つらかった人間関係が思い出され、先輩の前では常に緊張してた気がする。思い出しても息が詰まる。