「それはないよ。もし、彼女が出来たとしても、彼女がそんな事言うってことは……山地は彼女に由紀恵の事、何て話してんのさ。昔好きだったーとかわざわざ言う? 第一さ……山地、そんな奴じゃないっしょ!? 彼女出来たからって、急に由紀恵に感じ悪くなるとか……。ね、聞いてみな」

由紀恵は目を潤ませて、頷いた。本当に山地くんのこと好きなんだなってわかる、そんな顔だった。

「山地が由紀恵に告ったのって最近じゃん、そんなすぐに心変わりするかね」
梨花子が言ったのはもっともで、私もそう思う。だけど……不安になってる由紀恵は
「わかんないじゃん。大して仲良くない時に好きだって言って来たんだから。すぐ好きになるタイプかもしれないじゃん。そして……すぐ好きじゃなくなったのかも……しれないじゃん」
「うん、山地くんに聞いたらいいよ。嫌なら今日止めてもいいよ」そう言ったけれど由紀恵は首を横に振った。
「りっくんが来るなら、行きたい」
素直にそう言った由紀恵はいつもより可愛く見えて
「うん」と優しく背中をさすった。
「大丈夫だよ」
安易には言えない言葉だけれど、大丈夫ならいいなという希望と、山地くんの態度から本当に大丈夫だと思ったのでそう言った。

私がみんなを呼んだから責任は感じる。けれど、由紀恵も山地くんも優しいから自分の気持ちを押し込めて、今日は河川敷に付き合ってくれるのだろう。