「俺、もう一度……向き合ってみる」
「うん」
「フリースタイルか、5人制か、3人なのか……」
「うん」
「聞いてくれて、ありがとう」
「うん」

空はもう帰らないといけない色に変わっていた。
「どんな形をえらんだとしても、応援してる」
「やっぱり、語っちゃったな」と照れ臭そうに笑った。
「いいよ、槇野くんってほんと恥ずかしがりやさんだねえ」
「ちょ、その言い方、やめて」
「あはは!」
誰もいなくなった河川敷に風と木擦れと私たちの笑い声。

「宮原さん」
不意に名前を呼ばれて立ち止まった。槇野くんの顔を見上げた。もう暗くてはっきりはみえなかったけれど、少し笑っている。

「来週、ここへ来たら、もうここへは来ないと思う」
「……うん」
「言えなかったら悪いから言っておくね。ありがとう」
「……うん」

彼はここではない、バスケを出来る場所を見つけるのだろう。
「応援、してるから」
背を向けた彼の背中を両手で強く押した。

「背中、押したからね」
「うん」
物理的にも、気持ちにも。私は精一杯背中を押した。日が長くなってきた。春のうちに彼の居場所が決まればいいなと思う。