その言い方に笑ってしまう。
「また笑う~」と槇野くんはばつが悪そうな顔。
「だって……」
「悪いだろ、ずっと気にして貰ってさ。宮原さんはきっと、面倒見のいいタイプなんだな。うん」
「だからー、前も私が“好きで”って言ったでしょ!?」

槇野くんが固まってしまった事で、私も思い出した。そうだ……あの『好き』って誤解?されてたのだろうか。どの意味で彼は受け取ったのだろう。
「うん」と槇野くんは頷いてしばらく沈黙が続いた。何の『うん』だろうか。

槇野くんは手持ちぶさたにボールを出すとくるくるくるくる回し始めた。私の胸の内側もくるくるくるくる忙しない。かけ直したはずのブレーキは、すっかり壊れてしまったようだ。

私も槇野くんも何も言わず、くるくる回るシルバーブルーのボールを眺めていた。器用に手首をひねり、右、左と移動させていく。

「ねえ、練習したら誰でも出来るようになるの?」
「なる。俺器用じゃないもん。だから、人一倍練習した」
「そう? こんなに上手いのに」
「練習したからね。あ、でも一から始めるよりバスケやってた人はやりやすいよ。ハンドリングのテクニック版みたいな……」
「あ、なるほど。ミニバスの時、最初はずっと基礎からだったもんね」

槇野くんが私にボールを渡してくれたけれど、その基礎の動きさえままならずボールは転がってしまった。

……この差がね。つらい。