「気に入ってるから、いいんだよ」
少しむくれていて、可愛いなんて思ったらダメなのだろうか。

「うん、綺麗な色」
そう言うと、嬉しそうに笑った。

「ハマるととことんってタイプだからさ。学校も行かずずっとボール回してた。フリースローもそう、スリーポイントもそう。ダンクもそう。ハマったらずっとその練習しちゃうんだよね」
「うんうん、わかるよ、それ。私もそうだった」
ダンクは練習してもどうしようもないからしたことはなかったけど。

「フリースタイルはそのままフリーで……自分が思った動きを出来る。動画とかいっぱい見て研究した」
「……学校も行かず」ちょっとからかう。
「そ、学校も行かず」ちょっとばつの悪そうな顔をする。

「中学まで部活も授業も休んだことなかったような人間だからね、親は心配してたと思う」
申し訳なさそうにそう言った。

「でも、今も授業ちゃんと聞いてるよね。最初の頃は意外だなって思ったもん……」
「……学校来ないくせに、普通だなーって?」
今度は私が図星で俯いた。確かに、槇野くん不良説、あったもんな。髪の毛赤かった……とか。何だったのだろう、あれ。今なら絶対にただの噂だったってわかるくらい、槇野くんは穏やかな人だ。