それは数分間続く。これは、まさに魅せるバスケットボールだ。フィニッシュでボールを止めると、ベンチに座った槇野くんは黙っていた。

……あれ?この前のダンクの時も思ったけど……。チラリと槇野くんの方を見ると、さっと不自然に反対方向へと顔をむけてしまった。もしかして……
「槇野くん、もしかして、“格好つけてる”って思われてるんじゃないかって恥ずかしいの?」
だから、終わった瞬間は無表情で、こっち……見られないんだ。

「あはは!『徹底的に格好つけてやろう』って言ったくせに! あはは!」
「いや、だってさ……」

おかしくなって、出てきた涙を拭う。

「槇野くん、ボール持ってる時と持ってない時、人格変わるよね」
「……そうかもしんない」
「それならさ、別に“格好つけてる”んじゃないんだよ。華やかなプレイヤーってことでしょ」
「……そうかな……。でもボール買う時いっち番派手なの選んだつもり」
「うん、派手。でもこれ単色だよね」
派手は派手だけど、シルバーブルー一色のボールだ。
「そう、なんだよね。そこは俺と言うか……何色も使ったボールとか、絵が入ったのとか、蛍光色のもあったんだけど……そこまではちょっと……」
「あはは! 結局、派手な中でも一番地味なの選んだってこと?」

どうやら、図星……だったらしい。