「え、どこ?」
その赤くなった場所はほのかにって程度で、私はさっき離れた分をもう一度近づいてベンチに座り直した。
「ここ」
「あ、本当だ……」
髪を上げたままのおでこが、ちょっといつもと違う人みたいで、つい見入ってしまった。
おでこから目を話すと、今度は近い距離で目が……合う。
「はは、近……」そう言われて、ぱっと目を逸らした。ある程度距離を取って視線を戻した時には、前髪はいつも通りに下りてしまっていて、少し残念に感じた。
「そんな時に、これに出会ったんだ」
シルバーブルーのバスケットボール。片手で持っていたのをパンッと両手で持ち直すと腕の上を転がして見せた。
「フリースタイル?」
「そ。……一人でも、出来る」
一人でも……そうか、ボールさえあれば出来るのか。
「街で偶然先輩に出会ったんだ。以前みたいなトゲトゲしさはなくて、でも……『お前、まだ格好つけてんの?』って言われた」
「結構酷いよね。しつこい」
顔も見たことない人だけど腹が立ってきてそう言った。
「うん。でも……どうせ格好つけるなら、徹底的に格好つけてやろうと思って。俺、結構負けず嫌いなんだ」
そう言って立ち上がると、滑らかにボールは彼の腕の上を走り、回り、生きてるみたいに動き回った。
その赤くなった場所はほのかにって程度で、私はさっき離れた分をもう一度近づいてベンチに座り直した。
「ここ」
「あ、本当だ……」
髪を上げたままのおでこが、ちょっといつもと違う人みたいで、つい見入ってしまった。
おでこから目を話すと、今度は近い距離で目が……合う。
「はは、近……」そう言われて、ぱっと目を逸らした。ある程度距離を取って視線を戻した時には、前髪はいつも通りに下りてしまっていて、少し残念に感じた。
「そんな時に、これに出会ったんだ」
シルバーブルーのバスケットボール。片手で持っていたのをパンッと両手で持ち直すと腕の上を転がして見せた。
「フリースタイル?」
「そ。……一人でも、出来る」
一人でも……そうか、ボールさえあれば出来るのか。
「街で偶然先輩に出会ったんだ。以前みたいなトゲトゲしさはなくて、でも……『お前、まだ格好つけてんの?』って言われた」
「結構酷いよね。しつこい」
顔も見たことない人だけど腹が立ってきてそう言った。
「うん。でも……どうせ格好つけるなら、徹底的に格好つけてやろうと思って。俺、結構負けず嫌いなんだ」
そう言って立ち上がると、滑らかにボールは彼の腕の上を走り、回り、生きてるみたいに動き回った。



