「好きだから、ここにいるんでしょ」私はバスケットゴールを指差した。
「うん」
槇野くんは吹っ切れた様に歯を見せて笑った。
それから私を見て
「聞いてくれる?」と言った。
「うん」頷いた私からいつの間にかイライラが消えて、しんっとした気持ちになった。空はまだ青かった。だから私は彼に……
「ゆっくりでいいからね」と笑顔を返した。
「中学の頃、先輩に嫌われてたって話はしたよね」
「うん」
「居心地は良くなかったけど、試合出てる先輩とは上手くいってたし、チームとしては良かったと思う。自分が3年になる頃には……俺は副キャプテンだったんだけど……一番チームとしてまとまっていたと思う。人間関係も、全部。スタメンの奴らとも仲良かったけど、俺が一番仲良かったのは、試合に出たこともない奴だった。大人しくて優しくて、一緒にいると落ち着く、そんな奴だった」
そこで槇野くんの顔が曇り、言葉を止めた。私はただ、槇野くんが続きを話したくなるまで黙っていた。
「引退した時はやりきった充実感で満たされた。高校でもバスケを続けることにまよいはなかった。……小さな事なんだ。こんなことでって自分でも思う」
槇野くんは、パンッと目の前の何かを叩くように両手を打ち合わせた。
「うん」
槇野くんは吹っ切れた様に歯を見せて笑った。
それから私を見て
「聞いてくれる?」と言った。
「うん」頷いた私からいつの間にかイライラが消えて、しんっとした気持ちになった。空はまだ青かった。だから私は彼に……
「ゆっくりでいいからね」と笑顔を返した。
「中学の頃、先輩に嫌われてたって話はしたよね」
「うん」
「居心地は良くなかったけど、試合出てる先輩とは上手くいってたし、チームとしては良かったと思う。自分が3年になる頃には……俺は副キャプテンだったんだけど……一番チームとしてまとまっていたと思う。人間関係も、全部。スタメンの奴らとも仲良かったけど、俺が一番仲良かったのは、試合に出たこともない奴だった。大人しくて優しくて、一緒にいると落ち着く、そんな奴だった」
そこで槇野くんの顔が曇り、言葉を止めた。私はただ、槇野くんが続きを話したくなるまで黙っていた。
「引退した時はやりきった充実感で満たされた。高校でもバスケを続けることにまよいはなかった。……小さな事なんだ。こんなことでって自分でも思う」
槇野くんは、パンッと目の前の何かを叩くように両手を打ち合わせた。



