俺の居場所は、教室にも出来たし、体育館にも出来た。それが宮原さんのおかげだって言いたい。知っておいて欲しい。

 それから、二人でのこの河川敷にも俺の居場所があったこと、覚えておいて欲しい。

 ……誘うから。

青い空、流れる雲、暑くなってくる空気。上がってきた湿度。赤くなった空、沈みかけた太陽が見えなくなると、空は暗くなっていく。

そんな当たり前にあるものが、見えなくなっていた。それを見えるように戻してくれてありがとう。

宮原さんが隣にいると、綺麗だなって思えた。

 ──
 駄目になったのは、ほんのささいな事だった。宮原さんは『そんな事じゃないよ』って言ってくれた。

「ほんと、ほんと。ダメになるきっかけも些細な事なんだろうけどさ、戻るきっかけも些細な事だったりするんだろうね」
 和田さんがそう言った。

 また、頑張ろうって思えたささいな事は……俺にとっては『そんなことじゃない』ってくらい大きな事だった。

「そうそう、楽しくなるきっかけなんて何でもいいんだよ。部活とか友情とか言っちゃうと大それていて、大袈裟だけどさ、ちょっと面白い出来事とか、毎朝見かける女の子とかそんなんでいいんだよ」

山地の言葉はその通り過ぎて、これ、聞いてどう思うかなって宮原さんを見てると、盗み見るように、俺に視線を移して、目が合う。

 ……これは?同じ気持ち?勘違いじゃないよね。