以前に戻っただけだ。河川敷には誰もいなくて、目の前にはあれほど渇望したバスケゴールがある。
今は……というか、もうとっくにこの河川敷に来る理由はバスケットゴールがあるからじゃあなくなっていた。
……宮原さんは来なくなってしまったけど、今日は来るんじゃないかな。来たらいいなって、足を運んだ。

宮原さんは来た。でもその姿に俺に会いに来たんじゃないのはすぐにわかった。可愛い、カケル(犬)を連れていたから。

「ずるくない?」
「……何がよ」
「俺だけ、格好悪いとこ見せてさ」

聞きたい、そう思ってる。それを伝えたかっ……
「格好悪い……? 槇野くんいつも格好いいけど」
「え、何、格好いいの、俺……」

 宮原さんから見て、格好いいの?……初めて聞いたし。自分で赤くなるのがわかるくらい顔が熱くなった。

「そうだよ、格好いいよ。モテてるでしょ」
「……宮原さんの……好みとは違うけど……」
「はあ?」
 はあ?って声が、……そういう意味じゃあなさそうだ。
「……最近、俺に冷たくない?」
 思わず言ってしまうと、宮原さんは俺の隣でずーっと笑ってた。ツボに入ったらしい。

「……笑うとこか……」
 こっちは、ちょっと落ち込んでんのに。でもまあ、こうやって笑ってるの、見るの好き。