「渕上先輩も格好いいからお似合い」

 そうそう、お似合い、お似合い。って……格好いいって言った。この前、工藤先輩のことも格好いいって言ってた。

「ふうん」
 そっか、そっか。格好いいけどさ。もしかしたら、工藤先輩見に来たのかな?それとも渕上先輩のこと?


「おー、槇野、彼女~!?」
 バスケ部の人たちが追い抜き際、そう冷やかしてきた。

「違います」
「違います」

 ……違うけど、俺の知り合いなんだから俺が否定したらそれでよくない?そんなに早く否定しなくたって。

どっか寄ってく?なんて言えないくらい、家の方向へスタスタ歩いて行く。帰る気満々。

「じゃあ」といとも簡単に背を向けられては、言うつもりのなかった言葉を口にしてしまった。
「……帰り、待っててくれるのかと思った」

みっともなくて、背をむけてスタスタ歩いた。どんな顔してたかなんて見る勇気もなかった。

 立ち止まって、ため息を吐いた。……何、やってんだろ。

宮原さんはいつも俺の話を聞くばっかりだ。俺ばっかり、格好悪いところを見せて、もっと、宮原さんだってさらけ出してくれたらいいのに。

 俺だって、聞きたい。俺だって、聞きたいよ。