ウズウズする。やってみたい、俺も。どこまで通用するかわからないけれど。

 ──
 名前を呼ばれて、ホイッスルでメンバーチェンジ。
「フォロー、するから。お前の方が飛べるからリバウンド頼むな」
 工藤先輩がそう言ってくれて、頷いた。

 抜いた! そう思ってもすぐに追い付かれる。守備範囲の広さ。一種の興奮状態の中で、安定したプレーが出来る。この人、うまい。打てない。すぐに体勢が崩される。そんな体勢で打ったシュートは入るわけがなかった。
プレッシャーかけて、《《打たされた》》んだ。案の定、そのリバウンドは渕上先輩ががっちり取って、先にいるチームメートにパスを出す。
 ……まずい、追い付けてない。足がもつれる。

「速攻!」渕上先輩の声が響いた。
 何度もこのパターン。俺のとこが穴になってる。渕上先輩に俺では全然相手にならない。そんなの、わかってる。

「1本、大事にしよう」再びうちのボールになると、二、三度、工藤先輩がドリブルをする。ポジション的に工藤先輩がその場にいるわけがない。落ち着かせるために、そこに上がったんだ。

 大丈夫、この人がいたら、点を取ってくれる。そんな安心感がある。
その通り、外れたシュートを手に取ると、渕上先輩が追い付くのを見込んで、フックシュート。……うまい。

 ──
明らかな実力の差を見せられて、また目標がひとつ増えた。なのに、顔が緩む。楽しかった。目の前が一瞬開けたように見える。「抜けた」そう思い、ゴールドへとシュートを放つ。ざっと通るネットの音。ディフェンスの時の緊張感。止められた時の悔しさ。次は決める。そんな決意。調整。

 心が静かになる瞬間。楽しかった。