──N高との練習試合が決まった日、女バスの和田さんに誘われて宮原さんが見に来たいと言った。俺に行ってもいいか、伺うような目を向けるから
「うん」って頷いた。……もしかしてって思った。俺に聞くくらいだから、もしかして……俺を見に来てくれるのかなって。

 最近は、少し、自惚れていいんじゃないかって……また、思い始めていた。

 ──
「唯ちゃんて、どんな人がタイプ?」
 山地が宮原さんに聞いた。宮原さんが答えたた俳優は結構がっしりしていて、涼しげな顔の人だった。「ふうん」そっか、こんな人がタイプか。……全然違う。俺とは全然。

それが自分でも気がつかないうちにずいぶん気にしてたんだなって思ったのはN高の渕上先輩の顔を見た時。……あ、宮原さんの好きな人に似てる。第一印象はそれ。

第二印象で、バスケのこと。うまい。これは工藤先輩とのタッチアップは見ものだっていう意味がわかった。『快晴を使え』って山波先輩が行った意味も。

 ベンチにいる時は、よく見える。今の俺なら、そう思った事を伝える。

「先輩、逆サイドがら空き!」
 ディフェンスが気づくのが先か、一瞬の判断で止められる。

「声、出せ!」
 山波先輩が試合に出てる人に声をかける。

「ベンチも、ベンチも声、出しましょう!」
 気づけば俺もそう声をかけていた。