そんな事があったのかと、はっとした。

「誰より情熱がある。外から見てるからこそ、見えることもあるだろう? あいつ、すごいよ」

自分のプライドばかり気にしていた。試合に出て点を取るだけを考えてた。

「部活に入れば試合に出れると思ってたよ、俺は。所属して、選手登録して、運営費金払って……顧問の先生とやり取りして、コーチ探して……だから俺たち試合に出れるんだ」

ずっと、リングが恋しかった。バスケゴールが。俺がそれを使うのに、たくさんの人に支えられてるって、知らなかった。試合に出なくても……チームだ。外から見てくれる人がいる。自分が恥ずかしくなった。

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「山波先輩、パス出ししてもらっていいですか?」
「おー、いいよ」

 何で、わからなかったんだろう。誰より勇気ある選択をして、誰より仕事してる。表にでないからって、活躍してないわけじゃない。格好いい。

「飛ぶなあ、お前」

『格好つけやがって』そう言われた過去を思い出し、心が固まってしまう。

「はい」
「楽しみだな」
「はい?」
「お前みたいなやつが入ってきて、楽しみじゃないわけないだろう?」

 情けなく、目頭が熱くなる。……入部して良かったなって思う。

「ちょ、わ、何だよ」
「……山波先輩、好きです」
「はい?」
 後ろから抱きついてそう言った。ちっちゃい。でも、何て大きな人だろう。