朝、「おはよう」って声をかけてくれる。
 河川敷に走って来ては話をする。

横で俺のつまらない話をうんうん聞いてくれて、いつも笑ってる。何がおかしいのか……笑いすぎって時もある。

宮原さんのおかげか、クラスでも少しずつ話しかけてくれる人が増えた。

河川敷での時間が楽しみになっていた。部屋でもあまりボールを回さなくなった。河川敷に行くには、学校にもいかないと、そんな気持ちでいた。

 宮原さんは、毎日河川敷に来た。何をするわけでもなく、毎日。

嬉しいと思う。でも、それだけじゃない感情が過る。一人の方が楽。誰も傷つけずに済むから。こうやって、笑ってる宮原さんを、いつか、傷つけてしまうかもしれない。

「俺が、学校休みがちだから、心配してくれてるんだよね」

 それは、ひしひし感じてた。

「もう……いいから」
 会わない方がいいんだと思う。

「たまたま、席が後ろだったから、休んでたら気になるよね。責任も感じてくれなくていいし……無理はしないで。俺は俺で……大丈夫だから」

 情けなくて、何とかしたくて、それでもうまくいかなかった。そんな俺に
「私は、私で! 好きだからここにいるんだよ」
 宮原さんはそう言った。自分の意思だって言ってくれた。

「明日! また明日ね、槇野くん!」

 宮原さんの『また明日 』この言葉にどれだけ助けられただろうか。