憂鬱な気持ちで学校へと向かった。親と、出席日数のためだ。

誰とも関わらずに過ごしたい。それだけ。担任の益井先生はゆるい人で俺を見るなり『お前、デカイな』って言っただけ。拍子抜けする。でもいくらか気持ちが軽くなった。
ようやく最後のチャイムが鳴ると立ち上がった。

誰とも関わらずに過ごしたい。それだけ。そんな俺の前に、

「ま、槇野くん!」
小さな女の子が立ちはだかった。
「何」
……小さいな。そう思った。心を読まれたのかと思った。

「あ、あの、し、身長……何センチ……?」

その子は小さな体をよけいに小さくして真っ赤になっていた。先生も言った、『デカイな』って。そうだよな、デカイ。

「知らない」
それだけ言って通りすぎた。
あの子、小さいし、あの子からみたら俺なんて相当デカイんだろうな。誰とも関わらずに過ごしたい。それだけ。なのに……関わらなければいいのに、帰ると壁に真っ直ぐ立った。爪で印をつけると床からそこまでの長さを測る。

無視したっていいのに、なぜか明日、機会があれば言おうって思った。

……あれ、俺は、明日も学校行くのか。