──昼休み
 この日は由紀恵がホットドッグを作って来てくれていた。由紀恵が食べて欲しいのは、ホットドッグ……ではなくケチャップの方。園芸部の作ったトマトをクッキング部が調理したものだ。
「すっごい美味しいから」
 なんだかんだ、由紀恵はすごい楽しそうだ。
「すごい! 美味しい~。市販のと全然違う、味が濃い! トマトの味がするー」

 由紀恵は嬉しそうだ。

「ウインナーも美味しいよ。由紀ちゃん!」
「ウインナーは大手ハム会社の企業努力! あ、でも今度ウインナーも作るんだって。残念ながら、 本物の腸は使わないみたいだけど……」
「あ、はは。そ、そっか残念だね」
 山地くんは顔をひきつらせた。

「唯、ケチャップついてる」
「わ、恥ずかしっ」槇野くんに拭かれてしまった。

「……待って、待って! 今気づいたんだけど……これ、カップルの中に私……っていう……」梨花子が愕然とした顔で言った。

 私たちもカップル……なのか。

「梨花子は、好きな人、いないの? 工藤先輩以外で」
 こういう質問もさらっと出来るのは由紀恵ならではだ。

「うーん……いないなあ。余裕ないのかも」
 と、梨花子少し考える素振りをする。