「いいなあ、まっきー、まだ背伸びてんの?」山地くんが羨ましそうに言う。
「りっくん、背低いの気にしてるの? いいのに別に」
「あのね、由紀ちゃん、俺……ちっさくないから。まっきーが特別デカイだけで、横に並んだらちっさく見えるだけだから。男子の平均身長あるからね。……靴下履いて、だけど」

「あはは!りっくんめっちゃ気にしてるじゃん。靴下履いてとか、あはは!」
 由紀恵はいつも通り、ケラケラ笑った。

「でも私も背欲しいなー」
 私も山地くんと同じで靴下履いて平均身長くらいだ。つまり、平均に2~3ミリ足りない。微妙。

「宮原さん小さいっけ?」
 槇野くんは今度は『宮原さん』って呼んだ。あれ?やっぱり、さっきの『唯』は気のせいだったのかな?

「女子の平均だよ」
「私はもっと小さい~」
「由紀恵は、それが可愛いんじゃん」
 梨花子がそう言うと、山地くんがうんうん言ってる。
「唯もそれが可愛い」

 ……『唯』に変わった。……こ、この人!

「ちょ、ちょっと! 槇野くん、さっきから私で遊んでるよね? 何かさ、何かさ、何か結構、性格悪くない!?」
 槇野くんにからかわれて動揺してしまった恥ずかしさを払拭しようと大きな声が出た。

「うん、で……嫌いになった?」
「は、は、はぁ!?」

 槇野くんが俯く。この人……。しゅんとした《《ふり》》だ、絶対!