「今日、放課後会える?」
槇野くんはそのうち誘ってくれるのかなと思っていたけれど、驚いたのは、声をかけて来た時、周りに山地くん、梨花子、由紀恵がいたこと……というか、結構色んな人に聞こえてたんじゃないかなと思う。

恥ずかしがりやさん……なのに?

「うん、はい。ボール返すね」と頷いた。
「いいけど、ボールはどっちでも」
「そっか」
とにかく少し目立ってしまったので返事は簡潔に済ませた。

最近の槇野くんはちょっと違う。本来の槇野くんがこっちなのかどうなのかは未だによくわかってない。
山地くんが「俺も~」って言わなかったのは、いつもと違う何かに気付いたのだと思う。こんな槇野くんのことを、山地くんはいつも『本領発揮』と言った。

梨花子もからかってこないし、由紀恵もケラケラ笑ってないし、私も誰も誘ったりしなかった。
私も女バスのマネージャーになったこと、槇野くんに話したいと思っていた。同じ体育館なのだから、明日になれば気づく事だろうけど、ちゃんと自分の口で報告しようと思う。
……心配……してくれてたから。心配して、心配されて、お互い手がかかるけれど、こんなのもきっと……高校生活ってやつだ。

 一人ぼっちでは出来なかった、高校生活ってやつ!なのだと思う。