「……元々、ここでバスケ、ほとんどしてなかったよね? 宮原さんといる時は」
 言われればそうだ。ちょっとダンクとか、フリースタイルとか……
「確かに……ごめん、邪魔してた?」
 槇野くんがふーっと長く息を吐いた。

「そうじゃなくて、何かずっと俺ばっかり……」
「ばっかり? だから、別に槇野くんの為もあったけど、自分の意思だから私の事は……」
「そうでもなくて!」
 槇野くんは少し苛立っているみたいだった。
「……もう、意味がわからない。意味がわからないんだよ、槇野くん」
「……だから、ここで二人でああやって話すのは、俺に取って特別な時間だったんだよ」
 吐き捨てるように槇野くんはそう言った。

 ……特別?それは、もちろん私もそうだった。

「勘違いしてほしくないのは、俺はここに他の子を呼んだのは嫌だったんじゃないからね。嬉しかった。……本当、だからね? 」
 槇野くんは私の気持ちを窺うように、目を見てそう言った。ちゃんと伝わってるって言いたくて、私も目を見て頷いた。それを確認すると、槇野くんは続けた。
「だけど、少しがっかりする気持ちもあって……二人の時間が無くなったなって……」
 恥ずかしがりやさんの槇野くんはそこでちょっと目を逸らしたけれど、もう一度私に目を合わせた。少し顔が赤い。それは、私も同じだと思うし、夕焼けの、せいでもないと思う。