ゆっくり歩いてる私の横を工藤先輩カップルと渕上先輩と石橋先輩カップルが追い抜く。工藤先輩が手を振ってくれて一礼する。横の彼女さんがにこっと笑ってくれた。

 同性でもドキッとしちゃうくらい可愛い。槇野くんもあの人のこと可愛いって言ってたっけな。本当、可愛い。
 石橋先輩は、渕上先輩しか見てない。というか二人、めっちゃ顔が近い。恥ずかしくなってそちらは見ない事にした。

 来て、良かったなって思う。それは槇野くんのユニフォーム姿及びプレーしてるのを見られた事……がほとんどなことは否めないけれど

 その他にも。……私も、バスケットが好きだ。(槇野くんも好きだけど)

 だから、どんな形でもバスケットと関わって行きたい。そう思った。それを確認出来た事が、今日の一番の収穫だったかもしれない。

 体育館。バッシュが床にキュッと鳴る音。熱い瞳。汗。ユニフォームを摘まんでその汗を拭く姿。ゴール下の戦い。ボールコントロール。シュートが決まった時の高揚。

 全部全部、私が大好きだったものだ。目を背けても、捨てられなかった、玄関の棚の中のボール。

 ああ、もう!
「……好きなんだ」

 格好良かったなあ、みんな。何かに夢中になるって、本当格好いい。

 後ろから、誰かの少し急ぐような足音が聞こえた。それに気付いて、少し横に避けた。