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 試合が終わり、ギャラリーの階段を下りると、そこに槇野くんがいて
「お疲れ様……」と、声をかけた。
「全然ダメだった」と槇野くんは言ったけれど、その笑顔がすごく嬉しそうで
私も笑い返した。

「おーい、槇野、ナンパすんなよ」と工藤先輩の声が聞こえて
「お前が言うなよ」と、チームメイトに殴られてる。
「いや、俺はしてねーって。あ、イチゴミルクの子だあ!」と、屈託ない笑顔を向けて手を振ってくれた。私もぺこりと頭を下げた。
 工藤先輩は
「結局、お前もまたナンパしてんじゃねーか!」ってチームメイトに殴られてて面白い。さっきまであんなに緊迫してたのに。

 N高とK高の選手たちがそれぞれに雑談していて、槇野くんはちゃんとそこにいて、渕上先輩と喋ってた。
「お前、めっちゃ飛ぶね」
「はい、それでも全然ダメでしたけど」
「そか? 結構リバウンド取られたけど。後でスコア見るわ」
「僕、手長いんです」
 二人で手を比べてる。渕上さんの方が背は少し高いのか……
「本当だ、お前のが長いじゃん。猿?」
「……いや、まあ、足長い方が格好いいんすかね」
「だな」
 槇野くんが並んで、今度は足の長さを比べてる。
「一緒くらいっすね。僕、足は短いのかと思ってたけど……」
「お前……ムカつくな」と、渕上さんにヘッドロックされて、槇野くんが屈託なく笑う。

「ああいうのいいよね。試合終わったらじゃれて仲良しなの」
「うん」
 槇野くんを見て、私も幸せな気持ちになった。