ホイッスルで第1クォーターが終わって一息ついた。
「凄かった……見てこれ」
 始終、鳥肌立ちっぱなしだった。一種の興奮状態で……疲れた。高揚感が凄い。だけど、ワクワクが止まらない。ギャラリーにいる全員がそうだろう。そのくらい白熱していた。

 特に……あの、彼女二人。お互いに自分の学校とは違うチームを応援しているのは変な感じがするけど……

 この後から、私はあの彼女たちより緊張することになった。

 槇野くんが先輩に代わって出てきたのだ。パワーフォワードだった工藤先輩がスモールフォワードへ移動し、パワーフォワードへ槇野くんが入った。槇野くんには、渕上先輩がマッチアップした。

 槇野くんにボールが渡る。渕上先輩がびっちりついていて、槇野くんは全く何も出来ず、体勢を崩したシュートは入る訳もなく、冷静にスクリーンアウトをした渕上さんがリバウンドを取って、先に走るガードへとパスが回った。

「速攻!」渕上先輩の声が通る。簡単に点を採られてしまった。
 それからも何度か。渕上先輩のディフェンスがものすごく上手い。槇野くんだと体格負けだと思う。それに、明らかな経験値。

「あの子、上手いね」それなのに、石橋さんはそう言った。
 私もそう思う。槇野くん、少しづつコツを掴んでっていうか、感覚を取り戻しているのかも。

 いつもと違う、強い瞳。何度も、何度も鳥肌が立つ。

「槇野! 1回戻せ!」
 工藤先輩の声が聞こえた。それで冷静になったのかパンッと音がして、渕上先輩の上からボールを弾くと両手でキャッチし、ゲームコントロールする先輩に返した。