「唯ちゃん、昨日はどーも! カケルにもよろしくね」
HR直前、一番前の席から一番後ろの席の私に山地くんが声をかけてくる。
……元気だな。
「誰」
由紀恵のウィスパーボイスに
「い」「ぬ」と、口パクで答えた。
今日の自転車の漕ぎ心地は最高だったけれど相変わらずハッピーな気持ちにはなれず、もっと憂鬱な気分になる数学の教科書を開いた。
──昼休み
この日は、梨花子と槇野くんがバスケ部の話で盛り上がっていた。それを私たち3人がわかるところだけ拾って相づちを打つ。
「どうよ、槇野、男バス」
「レベルが高い」
「そう、そうなのよ。何か数年前から強いの。強くなったらちょっと高校の名前が上がるでしょ? それでまた上手い人が入部希望してきて……っていう良いループ」
「なるほどね」
「確か2年前のキャプテンがF大行ったはず」
「F大!? マジ!? この高校から?」
槇野くんの大きな声から察するにすごい事なのだろう。
「そだよ。今のキャプテンの工藤先輩も多分F大行くだろうって噂」
「マジ!? 確かに工藤さんめっちゃセンスある。上手いんだよ、華やかだし、ムラがない」
「で、めっちゃイケメン。気さくだし、可愛いところもあるし……」
「だな、性格もいい。結局、あれだけ試合で力出せたら尊敬しかない」
どうやらすごい人らしかった。というか……梨花子が男子の事で鼻息荒くなることは珍しく、私と由紀恵は顔を見合わせた。
HR直前、一番前の席から一番後ろの席の私に山地くんが声をかけてくる。
……元気だな。
「誰」
由紀恵のウィスパーボイスに
「い」「ぬ」と、口パクで答えた。
今日の自転車の漕ぎ心地は最高だったけれど相変わらずハッピーな気持ちにはなれず、もっと憂鬱な気分になる数学の教科書を開いた。
──昼休み
この日は、梨花子と槇野くんがバスケ部の話で盛り上がっていた。それを私たち3人がわかるところだけ拾って相づちを打つ。
「どうよ、槇野、男バス」
「レベルが高い」
「そう、そうなのよ。何か数年前から強いの。強くなったらちょっと高校の名前が上がるでしょ? それでまた上手い人が入部希望してきて……っていう良いループ」
「なるほどね」
「確か2年前のキャプテンがF大行ったはず」
「F大!? マジ!? この高校から?」
槇野くんの大きな声から察するにすごい事なのだろう。
「そだよ。今のキャプテンの工藤先輩も多分F大行くだろうって噂」
「マジ!? 確かに工藤さんめっちゃセンスある。上手いんだよ、華やかだし、ムラがない」
「で、めっちゃイケメン。気さくだし、可愛いところもあるし……」
「だな、性格もいい。結局、あれだけ試合で力出せたら尊敬しかない」
どうやらすごい人らしかった。というか……梨花子が男子の事で鼻息荒くなることは珍しく、私と由紀恵は顔を見合わせた。



