君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「この絵画たち…不思議なんです」

気づけば、私は話し始めていた。

「見ていた絵が動いて、それから…吸い込まれるみたいに、記憶をたどっていくんです」

雪じいは、黙って私の話を聞いている。

「大好きな人がいたんです」

一度、言葉を止める。胸が、少し痛んだ。

「ううん。今も、大好きな人」

それでも、続けた。

「その人に突然振られてしまって……。でも、この絵画を見ているうちに、その人が本当は何を考えていたのか、少しずつ知れているような気がしたんです」

自分でも、何を言っているんだろうと思う。こんな話、きっと信じてもらえない。それでも。

「…もう彼はいない。だからこれは、私の願望なのかもしれません」

声が少し震えた。

「私が都合のいい記憶を見ているだけなのかもしれない」

それでも、私は絵から目をそらせなかった。

「それでも、まだ続きがある気がするんです」

ぎゅっと手を握る。

「私が知らないことが、まだある気がする。翼が私に隠していたことが」

言葉にした瞬間、胸の奥が熱くなった。私は必死に言葉を紡ぐ。変なことを言っていると思われるかもしれない。笑われるかもしれない。