君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「つけてもいいかな?」

そう尋ねると、

「うん。俺がつけていい?」

「あ、うん」

私は髪をそっと上に持ち上げる。翼が後ろに回り、ネックレスをつけてくれる。

『待って…なんか、いい匂いするし。手、震えるんだけど。首、細っ。可愛い。……あー、落ち着け。落ち着け。無心になれ。とりあえず素数をいうか。2.3.5.7…』

思わず、ふふっと笑ってしまう。こんなこと思ってたの?翼。あんなにスマートにつけてくれたのに。

「はい、できた」

「ありがとう」

振り返ると、目が合った。二人で顔を見合わせて、笑う。その瞬間――。はらり。白いものが、空から落ちてきた。

「雪」

「どうりで冷えるわけだな」

翼が空を見上げる。

「ホワイトクリスマスなんて、ロマンチックだ」

楽しそうに笑う翼。

「そうだね」

私も空を見上げる。イルミネーションの光の中を、雪がゆっくりと舞っている。

『もっと、いろんなものを望叶と見たいな』

翼の声が、心の中に響く。

『来年も、再来年も――この先も、ずっと』

胸の奥がきゅっと痛くなった。イルミネーションが彩る街。ふわり、ふわりと舞い落ちる雪。冷たいはずなのに、不思議なくらいあたたかく感じる。それはきっと、翼の心の声がそばにあるから。はらはらと舞い散る雪が、私たちを包み込んでいく。このまま、時間が止まればいい。まだ、この中にいたい。この優しい時間の中に。翼がいるこの場所にずっと――。