「ハンカチなら貸したのに。私、いらなかったよね」
首を傾げて尋ねた私を見て、翼は楽しそうに笑った。
「んー? いらなくないよ。蒼井自身じゃなきゃダメだった」
そう言って、握っていた私の手を少しだけ強く握ったようにみえた。そのまま、みんなの前を堂々と歩いていく。……恥ずかしかったな。戸惑ってしまう私とは対照的に、翼は楽しそうに笑っていた。その笑顔を見ていると、私までつられて笑ってしまう。
『本当可愛いな。俺の彼女だって。誰にも渡さないって……言わないと。森山だって、普段笑わないくせに、蒼井といる時すごい笑うじゃん!他のやつだって、蒼井の可愛さ知ったら狙うかもしれない。そんなの絶対無理。嫌だ…』
「望叶……好きだよ」
堂々と言い放たれたその言葉に、顔が一気に熱くなる。周りを見ると、何人かのクラスメイトがこちらを見ていた。……聞かれた。この日、私と翼が付き合っていることは、みんなに知られたんだ。あとで翼には、「ごめん、ほんとにごめん」と、ものすごく謝られたけれど。
今となっては、それも大切な思い出。あの日の翼は、恥ずかしいくらいまっすぐで。私には眩し過ぎた。
ふわり。頬を撫でるように風が吹いた。その風に誘われるように、私はそっと目を閉じる。
そっと目を開ける。そこにあった絵は、校庭に引かれた白線と、太陽の光にさらされた柔らかな砂が混ざり合う中、体操着姿の二人が笑っていた。はじめに見た絵よりも少し温度があるような、そんなあたたかい白だった。
首を傾げて尋ねた私を見て、翼は楽しそうに笑った。
「んー? いらなくないよ。蒼井自身じゃなきゃダメだった」
そう言って、握っていた私の手を少しだけ強く握ったようにみえた。そのまま、みんなの前を堂々と歩いていく。……恥ずかしかったな。戸惑ってしまう私とは対照的に、翼は楽しそうに笑っていた。その笑顔を見ていると、私までつられて笑ってしまう。
『本当可愛いな。俺の彼女だって。誰にも渡さないって……言わないと。森山だって、普段笑わないくせに、蒼井といる時すごい笑うじゃん!他のやつだって、蒼井の可愛さ知ったら狙うかもしれない。そんなの絶対無理。嫌だ…』
「望叶……好きだよ」
堂々と言い放たれたその言葉に、顔が一気に熱くなる。周りを見ると、何人かのクラスメイトがこちらを見ていた。……聞かれた。この日、私と翼が付き合っていることは、みんなに知られたんだ。あとで翼には、「ごめん、ほんとにごめん」と、ものすごく謝られたけれど。
今となっては、それも大切な思い出。あの日の翼は、恥ずかしいくらいまっすぐで。私には眩し過ぎた。
ふわり。頬を撫でるように風が吹いた。その風に誘われるように、私はそっと目を閉じる。
そっと目を開ける。そこにあった絵は、校庭に引かれた白線と、太陽の光にさらされた柔らかな砂が混ざり合う中、体操着姿の二人が笑っていた。はじめに見た絵よりも少し温度があるような、そんなあたたかい白だった。



