君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

それを見ていた森山君がふいに私を見る。

「ねぇ」

「ん?」

「僕の勘違いじゃなければ……二人って付き合ってる?」

鋭い視線が向けられる。

「えっ、あ……」

私は慌てて翼のほうを見る。

「実は……まだ梓にしか言ってなくて。内緒で」

「そっか」

森山君は眼鏡をくいっと上げた。

「バラしたりしないよ。でも、そっか。リア充だ」

「いやいや……」

私は苦笑する。

「でも、どう見ても時宮くんは陽で、私は陰って感じだからさ。正直、釣り合って……ない気がする」

そう言うと、森山君は不思議そうに私を見る。

「え?なんで?」

「なんでとは?」

私も疑問系で返している。

「蒼井さんってさ」

森山君が、まっすぐ私を見る。

「優しいじゃん」

「……え?私が?」

思わず目を瞬く。キョトンとする私に、小さく頷いた。

「うん。優しいよ」

自分では、そんなふうに思ったことなんてなかった。ただ、そう言われると。なんだか、胸の奥が少しだけ温かくなった。