美術館を出た帰り道。私は、去年、翼と一緒に見たしだれ柳のところへ向かった。川のせせらぎが聞こえる。水面を渡る風に、細長い枝がそよそよと揺れていた。その前を、学生達が通り過ぎていく。
「なんか、この木って不気味だよな」
「わかる。夜に見たら、お化け出そう」
そんな会話が聞こえてきた。――昔の私も、そう思っていた。でも今は。私は立ち止まり、ゆっくりと揺れるしだれ柳を見つめる。そして、おもむろにスマホを取り出した。
「しだれ柳 花言葉」
検索結果を指で追っていく。
「愛の悲しみ」
思わず、小さく呟いた。胸の奥が、きゅっとなる。でも、その下にもうひとつの言葉を見つけた。強い風が吹いたとき、枝や葉が大きく揺れ動く姿が、まるで羽ばたいているように見えることから――。
「自由」
その言葉を口にした瞬間。ブワッ――。強い風が吹き抜けた。枝が、大きく揺れる。まるで、空へ向かって羽ばたくように。私はその姿を見つめながら、スマホをそっと下ろした。そして――。
「翼……」
名前を呼ぶ。
「私、もう一度あなたとちゃんと話したかったな」
風に乗せるように、そう呟いた。揺れるしだれ柳が静かに私を見送っていた。
「なんか、この木って不気味だよな」
「わかる。夜に見たら、お化け出そう」
そんな会話が聞こえてきた。――昔の私も、そう思っていた。でも今は。私は立ち止まり、ゆっくりと揺れるしだれ柳を見つめる。そして、おもむろにスマホを取り出した。
「しだれ柳 花言葉」
検索結果を指で追っていく。
「愛の悲しみ」
思わず、小さく呟いた。胸の奥が、きゅっとなる。でも、その下にもうひとつの言葉を見つけた。強い風が吹いたとき、枝や葉が大きく揺れ動く姿が、まるで羽ばたいているように見えることから――。
「自由」
その言葉を口にした瞬間。ブワッ――。強い風が吹き抜けた。枝が、大きく揺れる。まるで、空へ向かって羽ばたくように。私はその姿を見つめながら、スマホをそっと下ろした。そして――。
「翼……」
名前を呼ぶ。
「私、もう一度あなたとちゃんと話したかったな」
風に乗せるように、そう呟いた。揺れるしだれ柳が静かに私を見送っていた。



