君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

翼の言葉は、いつだって私に勇気をくれる。お母さんが亡くなったことを、こんなふうに誰かに話したのは初めてだった。ずっと自分のせいだと思っていた。でも今並ぶ二人をみてわかった。翼が、私の横顔を静かに見つめていたことに。そして――。

『蒼井が、自分を責めないで前を向けますように。そして、その隣に俺もいられますように』

胸が、ぎゅっとなる。こんな風に思ってくれてたことも。

「わ!」

突然、ブワッと強い風が吹いた。しだれ柳の枝が、大きく揺れる。私と翼は、並んでその姿を見つめた。さらさらと揺れる無数の枝。夕暮れの光。そして――。私は、そっと目を閉じた。

目を開けると私は、絵の前に立っていた。目の前には、夕暮れの光に溶けるようなしだれ柳。はじめにみた絵画のしだれ柳とは違って、優しくてなんだか胸があたたかくなった。