君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「とりあえず、バスの時間あるから行く?」

私がそう言うと、

「だな」

翼も頷いた。二人でバス停へ向かう。やってきたバスに乗り込み、後ろから二番目の席に並んで座った。私は二人の後ろにそっと座る。窓の外を、夏祭りの明かりがゆっくり流れていく。

『あー完全に言いそびれた』

翼が小さく息を吐いている。

『これ、ちゃんと場を仕切り直したほうがいいよな。なんかなんとも言えない』

ちらりと、私を見る。

『かずまくんがご両親に会えたのはよかったし。あの状況でほっとくのも無理だったけど……』

過去の私は、そんな翼を見つめてそして、笑った。

「楽しかった」

「え?」

「今日すっごく、楽しかったよ。時宮くん、ありがとう」

翼が目をまんまるにしてこちらを見る。私は、もう一度笑った。その瞬間――。

『好きだ』

「好きだ」

「え?」

思わず過去の私は聞き返した。翼が固まる。

『今、言葉に出てた……』

翼の顔が、みるみる赤くなっていく。

『可愛すぎて、もう心の声出たやつ!しかもバスの中って!』

翼がちらりと車内を見回す。

『奇跡的に、終点で降りるの俺たちだけだけどさ!!』