君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

翼に手を引かれて私が歩きだす。カランカラン。

『下駄、履いてるからな。ゆっくり行かないと、靴ずれしたら痛いよな』

翼が歩く速度を少し落としてくれた。そんなことも私は気づかなかったな。そうして辿り着いた高台からは、花火がちらほらと見えた。けれど――。人が多すぎて、よく見えない。

「……終わっちゃったね」

最後の花火が夜空に消えていく。私がそう呟くと、翼が申し訳なさそうに頭をかいた。

「いや、なんかごめん!」

『うわぁ、カッコ悪……。花火見て、ちゃんと雰囲気いいところでって思ってのに』

「ううん。仕方ないよ」

首を横に振る。

「かずまくんが、ご両親に会えてよかった」

「……まあ、それはそうだけど」

「時宮くん、優しいね」

そう言って笑うと――。翼が、ふいに横を向いた。

『その顔、ずるい。ほんと可愛すぎ』

胸が、大きく跳ねた。思わず顔を伏せる。でも昔の私は翼がそんな風に思ってくれているなんて知らなかった。