君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「か、かずまくんのお父さん、お母さん、いませんかー?」

私も思い切って声を張り上げる。普段なら、こんな大きな声なんて出さない。

「お」

翼が隣で笑った。

「蒼井が声張ってるとこ、初めて見たかも」

「だって……」

『ちょっと必死なのも可愛い』

「……え?」

思わず翼を見るけれど翼は、何食わぬ顔をして前を向いている。今のは、翼の心の声だ。真剣に探してたのに。そう思っていたら――。

「いた!!」

かずまくんが、突然声を上げた。見ると、人混みの向こうから男女がこちらへ駆けてくる。

「かずま!」

「よかった……!」

「ありがとうございます!」

ご両親が何度も頭を下げる。

「いえいえ。見つかってよかったです」

翼が笑う。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう!!」

かずまくんも満面の笑みを浮かべて、両親と一緒に人混みの中へ消えていった。

「良かったね。見つかって」

「だな!」

翼が嬉しそうに笑う。

『とりあえず一安心……だけど、これもう花火――』

パァン!夜空に、大きな花火が咲いた。

「……始まった」

思わず呟く。

『このまま行っても、もう見えないな。とりあえず、見えるとこまで移動するか』

「とりあえずこっち」

「うん」

花火の音を追いかけるように、二人で歩き出す。