君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

すると少し先に、二人の姿を見つけた。浴衣姿の私。

「蒼井、こっち!」

翼が手を振っている。生きてる翼だ。これは過去だ。翼と一緒にいられたあの日の記憶。

「うん」

私は、二人のあとを追いかけた。

「ここの夏祭りはさ、地元から離れてるから、クラスのやつらも来ないんだよ」

その言葉を聞いたとき。――私と一緒に歩いているところを、誰かに見られたくないんだ。翼は人気者だ。そんな翼が、地味な私と一緒にいるところなんて、知られたくないのかもしれない。だから、わざわざ遠いお祭りを選んだんだって。ずっと、そう思っていた。でも。

『蒼井……きっとクラスの奴ら見たら、萎縮しちゃうだろうし。俺だって二人の時間邪魔されたくないし』

「……え」

思わず足が止まる。今の声は――翼?胸が、どくんと鳴った。私を、気遣って…?そうだったんだ。翼が誘ってくれた夏祭り。地元のお祭りじゃなくて、バスで四十分ほど離れた場所にある、このお祭り。それは、私が周りを気にせず楽しめるように。誰の目も気にせず、二人で歩けるように。

「…知らなかった」

小さく呟く。二人は、人目を気にすることなく歩いている。隣の翼は楽しそうに屋台を指差していた。

「なに食べる? とりあえず、まずは下見かな?」

「そうだね……なんか意外」

「え、なにが?」

「時宮くんって、直感で選ぶ人かと思ってたから。下見とかするんだね」

私は、翼のことを、思いついたらすぐ行動するタイプだと思っていた。けれど――。