君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「やばい。ちょっと溶けてるかも」

翼の言葉に私は急いでアイスを口に運ぶ。翼はというと――三口。あっという間に食べ終わった。

「……早っ」

確かにソーダ味のアイスは柔らかくて、すぐに溶けてしまいそう。それなのに私は、垂れそうになるアイスを気にしながら、ちまちまと食べていた。

「美味しい」

『……可愛い。っていうか、落ちそう』

ぽたっ、とアイスが落ちそうになった瞬間。

「わあ」

翼が身を乗り出した。そして――私の手元から垂れかけたアイスを、パクっと食べる。

「あ、ごめん。思わず」

『俺、何やってんの!? これ絶対引かれた! あー、マジで……やばい。しんどい』

……翼、焦ってたんだ。そんなこと、当時の私は知らなかった。そして私は――ぼたっ。残っていたアイスを地面に落とした。その光景を見た私。

「ふふっ……あはは!」

思いっきり笑った。

「食いしん坊だね」

「……っ」

翼が、なぜかその場にしゃがみ込む。あの時翼の顔よくみえなかったけど、今なら見れるよね?私はしゃがんで、翼の顔を覗き込む。すると――顔が真っ赤だった。

『うっ……ず、ずるすぎるって。その笑顔は』

「……アイス」

翼が一言。

「え?」

「帰り、奢る」

「え、いいよ」

「いや」

翼は真っ赤な顔のまま、私を見た。

「ほんと、奢らせて」