君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「うわ、ごめん!」

田中が慌てて頭を下げる。

「真面目にやれよ」

翼が声を低くして言う。

『マジで、危なかった。蒼井にかかったら可哀想だろ』

『……っていうか、ホースの水、冷たっ』

「さっさとやろうぜ。水も滴るイケメンの言うことは聞くしかないな~」

長谷くんが場を仕切りながら、みんなを散らしていく。

「蒼井……大丈夫だった?」

翼が、私の顔をのぞき込む。

「私は大丈夫……。時宮くんこそ、大丈夫?」

「俺は平気! ちょうど水浴びたかったし」

『決して浴びたかったわけじゃないけど……まあ、すぐ乾くだろ』

「やるじゃん、時宮。水かぶったら、速攻帰るとこだったわ」

梓が、ひょっこり顔を出す。

「それは困る。戦力なくなるじゃん」

『真面目にやってる二人が、嫌な思いするのは違うだろ。金田も、蒼井のこと気にして立候補してくれたんだろうし……良いやつ』

私は翼を見つめた。今まで知らなかった。翼が、こんなことを考えていたなんて。私の知らないところで。ずっと、私のことを気にしてくれていたんだ。