君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「雨、やまないなー」

翼が窓の外を見ながらつぶやく。

「そうだね」

私は自分の席に座る。窓を打つ雨音を聞きながら、そっと二人の様子を見つめた。すると、翼が私のほうを向く。

「隣の席だからさ、いっぱいしゃべろうな」

「えっ……でも、あんまりしゃべると怒られるよね?」

「授業中はね!」

翼は楽しそうに笑った。

「でも、昼休みとかさ。今とか!」

そして、少しだけ照れたように笑って。

「俺、蒼井のこと知りたい。もっと仲良くなりたいって思ってるから」

「……!」

そうだ。あのときの翼は、こんなふうにストレートに言ってくれたんだ。胸の奥が、じんわり熱くなる。思わず頬が赤くなった。

「そ、そうなんだ。わ、私も……時宮くんのこと、知りたい……かも」

「……かも、か」

翼が、ぽつりとつぶやく。

『これは喜んでいいのか?』

その心の声に、思わず笑いそうになる。かもって……。私、素直じゃないな。翼を見習うべきだ。ほんとに。