君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「あ……」

そこに、翼がいた。淡い緑色の葉が風に揺れる中、翼の黒髪もさらりと揺れている。

『今日こそ会えるといいけど』

翼は、辺りを見回す。

『さすがに今日会えなかったら、ポストに入れてこよう……ってか、連絡先聞きたい。でも、友達づたいで連絡先聞くのはなんかカッコ悪いし』

「別にカッコ悪くはないけどな……」

思わず呟く。

『はあー……会いたいなー』

なんか、恥ずかしい。そんなこと、思ってたんだ。私に会いたいって。すると――。

「あ」

少し先に、私がいた。そうだ。この日は、スーパーに買い物に行くところだった。そして、私に気づいた翼が――。

「蒼井!!」

「わっ」

翼の声が、新緑の中に響き渡る。

『やべ、めっちゃでっかい声出た。絶対いま、肩びくってしたよな』

してる。思いっきりしてる。

「あ。時宮くん。偶然だね」

「う、うん。えっと……元気?」

「うん」

翼は少しだけ落ち着かない様子で、手に持っていたファイルを見た。

「あ、そうだ。ゴールデンウィーク中に宿題出てさ。渡しに行くところだったんだ」

そう言って、翼がファイルに入れていたプリントを取り出す。

「はい」

差し出されたプリントを私は受け取った。

「ありがとう」

「うん」

翼は照れたように笑った。