君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「ここが蒼井の住所だ。いなかったら、ポストに入れてくればいいから」

「はーい」

翼は先生から宿題を受け取る。すると――。

「翼ー! ゲーセン行かね?」

「ねぇー! ゴールデンウィーク、遊ぼうよ!」

教室のあちこちから、翼を誘う声が飛んでくる。翼は人気者だ。明るくて頼りになって、いつも人の輪の中心にいる。私とは正反対。
キラキラした男女のグループの真ん中で笑っている翼を見ていると、そんな彼が私に構ってくれたのは――ただの気まぐれだったのかもしれない。

「悪い! 俺、用があるから帰る。ゴールデンウィークはじいちゃんの手伝いで忙しいから無理!」

「あー、そっかー」

「じゃあまた今度な!」

翼はみんなに手を振ると、あっさり教室を出ていった。

『クラスのやつらと遊ぶより、じいちゃんの手伝いのほうが楽しいんだよなー』

廊下を歩きながら、翼は楽しそうに笑っている。

『また、空いてる時間はじいちゃんのとこで勝手に遊ばせてもらおう』

おじいちゃんの手伝い…。翼ってそんなことしてたんだ。農家とかなのかな?私は翼のあとを追いながら、ぼんやりと考える。