君が描いた色の中で、もう一度君に恋をする

「…あの、また来てもいいですか?」

思わず、そう尋ねていた。ここに来れば――。また、翼との思い出を感じられるかもしれない。あの日、翼は本当は何を思っていたのか。もしかしたら、私が知らなかった本当の気持ちに触れられるかもしれない。

「もちろんだとも。またおいで」

おじいさんは、穏やかに笑った。

「……ありがとうございます」

私は小さく頭を下げる。そして、何度も振り返りながら、小さな美術館をあとにした。外に出ると、すっかり暗くなっていた。来たときとは、少しだけ違う気持ちだった。まだ、翼と別れた悲しみは消えていない。

「…もう一度、会いたい」

ぽつりと呟く。あの日の翼に。私がまだ知らない、翼の気持ちに。