――そして、あの日。
望叶に出会って、俺の世界は変わった。
「一目惚れ」って言葉があるけれど、俺はそれを信じていなかった。だって、見た目だけで好きになるなんて、そんなの違うと思っていたから。
その人の中身を知って、「この人のこと、好きだな」そう思うのが恋なんだと思っていた。
でも、あの日。あの瞬間。俺はもう、望叶に惹かれていたのかもしれない。
望叶は、悲しみの中にいた。
いつもどこか寂しそうで、笑うことも少なくて。それなのに、たまに見せる笑顔が、どうしようもなく綺麗だった。その笑顔を見るたびに、もっと見たいと思った。
授業中、背筋をきれいに伸ばして、真剣にノートを取っている姿。
友達と話しているときに見せる、ふっと柔らかな表情。
教科書や物に触れる、優しい手つき。
誰かが悪口を言っていても、望叶は絶対にそれに乗らなかった。控えめで、おしが弱そうに見えるのに。
「……私は、そうは思わないかな」そう言って、小さく首を振る。そんな姿を見て、俺は思った。すごく丁寧で、優しい子なんだなって。気づけば、俺はいつも望叶の姿を目で追うようになっていた。
そして――描きたくなった。忘れたくなかったから。望叶と過ごした時間も。あの笑顔も。俺がその瞬間に感じた、「素敵だ」と思った気持ちも。全部、残しておきたかった。だから、絵を描いた。自然の中から新しい色を見つけるように。俺の日常の中にある、大切なものをひとつずつ見つけて。キャンバスに残していった。
望叶に出会って、俺の世界は変わった。
「一目惚れ」って言葉があるけれど、俺はそれを信じていなかった。だって、見た目だけで好きになるなんて、そんなの違うと思っていたから。
その人の中身を知って、「この人のこと、好きだな」そう思うのが恋なんだと思っていた。
でも、あの日。あの瞬間。俺はもう、望叶に惹かれていたのかもしれない。
望叶は、悲しみの中にいた。
いつもどこか寂しそうで、笑うことも少なくて。それなのに、たまに見せる笑顔が、どうしようもなく綺麗だった。その笑顔を見るたびに、もっと見たいと思った。
授業中、背筋をきれいに伸ばして、真剣にノートを取っている姿。
友達と話しているときに見せる、ふっと柔らかな表情。
教科書や物に触れる、優しい手つき。
誰かが悪口を言っていても、望叶は絶対にそれに乗らなかった。控えめで、おしが弱そうに見えるのに。
「……私は、そうは思わないかな」そう言って、小さく首を振る。そんな姿を見て、俺は思った。すごく丁寧で、優しい子なんだなって。気づけば、俺はいつも望叶の姿を目で追うようになっていた。
そして――描きたくなった。忘れたくなかったから。望叶と過ごした時間も。あの笑顔も。俺がその瞬間に感じた、「素敵だ」と思った気持ちも。全部、残しておきたかった。だから、絵を描いた。自然の中から新しい色を見つけるように。俺の日常の中にある、大切なものをひとつずつ見つけて。キャンバスに残していった。



