シークレット―世界は守れますが、恋の仕方はわかりません―

 十七時半。

 仕事を終えた梨来は鞄を持ち、事務室を出た。

 廊下を歩き、建物の出口へ向かう。

 今日は、そこに誰がいるのか知っている。

 気づけば、歩く速度が少しだけ速くなっていた。

 建物を出ると、直充はすぐに見つかった。

「直充くん」

 呼ぶと、直充がこちらを見る。

「お疲れさまです」

「お待たせ」

「大丈夫です。俺も今来たところなので」

「ほんと?」

「はい」

「そっか」