「少しも寝ないで俺のそばでずっと何考えてたの? 紗知のこと一瞬も見逃したくないのに、知らないことがあるとか無理に決まってんじゃん。あと少しだけ一緒にいたい理由がそれじゃダメ?」
そんなこと言われても困るよ。
だけど甘えるみたいに囁かれたら何も言い返せない。
こんなに強気で甘々なナツ君にさっきと同じことをまたされたら、絶対耐えられないと思う。
「ダメじゃないけど、ほんとに別に何も……」
「そんなの嘘、顔見たらわかるから」
聞く耳なんか持ってないって感じ。
確かに、いっぱいいっぱいだったけど、必死に隠そうとしてることを簡単に見透かさないでよ。
「てか、その時の俺のこと許さないし、覚えてない俺も許せない」
「もしかして、また自分に嫉妬してる?」
「めちゃめちゃしてる」
つい吹き出してしまって、もう一緒に笑い合ってる。
そのままおでことおでこをくっつけて、手を繋いで、みつめあって。
いちゃいちゃして、それだけでいい。
だけど優しくキスされたら離れがたい。息が詰まるほどキスされたら、やっぱりずっと一緒じゃなきゃ嫌だって思ってしまう。
「俺のために一生懸命になったり頑張ったり……あんま可愛いことされるとおかしくなるからやめて。今日1日中、ずっと我慢してたのは俺の方だから」
見たことのない切なげな表情で、自分の胸元に私の手を持っていくと照れ臭そうに目を逸らした。
「心臓の音……ほら。やばいんだって」
それからナツ君は耳元で、甘く小さく呟いた。
「俺のことこんなにした責任取って。いっぱい触るしキスするけど文句言わせないから」



