極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛デート編



都心へ向かう電車は思ったより混んでいた。うちの学校は4駅先。
みつかる危険度は高い気がする。



「何本かずらそうよ」



不安になって制服の裾を引っ張ったけど、みんなスマホを見てるし動けないから逆に安全だと思うって言われて混み混みの電車に乗ることにした。



ほんとにこっちを見てる人はいないか、きょろきょろして自分の足元は二の次。
のろまだから場所もろくに確保できず、後ろからの人に押されてナツ君と離れてしまいそうになった。



「紗知、こっち」



ぐいっと肩を引き寄せられて、背中側に立ったナツ君が周りの人から守ってくれた。
男の人ばっかりだし、ほんとはちょっと緊張してたんだ。



「……ありがとう」



「ここ掴んでればいいよ」



後ろから片手で上半身を抱え込んで、腕に掴まるようにって言われた。チビだからすっぽり収まってしまってどきどきが止まらない。



電車なんかまともに乗ったことないはずなのに、なんで王子様みたいなことができるの?
そう思ったらまた恥ずかしくなって下を向いてしまった。



だけど、ふと顔を上げたら少し離れたところにいた大学生くらいの女の子たちがこっちをじーっと見ていることに気がついた。