ナツ君はしばらく黙っていたけど、すぐにこっちにやって来た。
「俺のカノジョ可愛いって今日何回思ったかもうわかんない」
あっという間にお姫様抱っこされてベッドに連れていかれた。
ベッドのスプリングがちょっと軋む音、それだけで息の仕方がわからなくなる。
「どんだけ俺のことくすぐったら気が済むの? 紗知の全部の瞬間に理性持ってかれて、ずっとどうにかなりそうだった」
至近距離で頬と唇に触れられて、もう心臓は破裂寸前。それにそのセリフなら、私の方が言いたいくらい。
どうしてそんなに毎分毎秒が甘すぎるんだろう。私たち、もう幼なじみじゃないし、タレントとマネージャーでもない。キスされたらもう……。
「紗知……」
甘い、吐息混じりの声で名前を呼ばれた。
「今、キス待ち?」
「へ?」
にやり、あの悪い笑顔が近づいてきた。
唇まで2センチの距離でそう言うと、隣にごろんと寝転んじゃった。
「ハムぴち脱がせてくれたら考えてもいいけど」
「わっ、私が? ナツ君を? ぬ、脱がすの?」
「そう。ハムぴちはいい子だから好きな子を襲ったりしないの。だからキスも紗知からね。俺を翻弄してドロ甘にしてよ」
抱きついて、私の前髪に顔を埋めたままで平然とそんなことを言い出した。



