だから調子にのって、どきどきしながら振り向いた。
「ナツ君あの、実はね」
「ん?」
「ずーっと前から憧れてることがあってね」
「うん」
言葉の続きを黙って待っていてくれてるだけのことが、なんでこんなにきゅんきゅんするんだろう。これはなんていう現象なの? もっとどきどきしてきた。
「したいことがあるんだけど」
「しよ。なんでも言って」
ナツ君は漫画もお菓子も放り出して、後ろからぎゅーってしてほっぺにほっぺを寄せてきた。
「はぁはぁはぁ……っ」
「大丈夫、ちょい落ち着け」
キモいくらい呼吸が荒くなってるけど、言うよ!
「では、手を貸してください」
「手?」
くるりと向き合って、ナツ君の右手と自分の左手をぴたっとくっつけた。



