むずかしい顔で悩んでたら、疲れていると思われたのかお姉ちゃんはキッチンに立った。
「委員会の仕事大変だったんだね。ご飯はお姉ちゃんが作るから先にお風呂に入っておいで」
「お姉ちゃんありがとう。そんな優しいと困るよ」
「もう、紗知は大袈裟なんだから~」
嬉しそうにしてるけど、ごめんねお姉ちゃん。
ほんとに困るの。だってそれじゃ作戦が実行できないもん。
「ほら、汗かいたでしょ、お風呂沸かすから行っていいよ」
リビングから追い出され、部屋に戻ったらナツ君は大人しくスマホでゲームをしてたからさっきのことを話してみた。
この作戦いいと思ったのにな、って。
「てか、ほんとに泊まっていいの?」
「え。あ、そうだよね……」
いつか言ってた彼女の自覚ってやつを持たなきゃいけないってことなのかな。
「夢は叶ったし嫌なら帰るけど」
「ううん、泊まって!」
すぐ近くの部屋にお姉ちゃんがいるし、それは同居してた頃と変わらないもん。
……なんていうのは建前。
まだ一緒にいたい。
「紗知~、お風呂沸いたよ~!」
しばらくしたらお姉ちゃんから呼ばれた。
「今行く~」
扉の外に向かって言ったら、ナツ君に手を取られた。
「一緒に行く」
「うん、お姉ちゃんにお泊まりの許可もらいに行こっか」
「違う、風呂」
「えっ、むっ、無理っっっ!」
バカでかボイスが出ちゃったせいで、早く行きなさいって、リビングからお姉ちゃんが怒る声が聞こえてきた。



