もうかき氷は諦めて、電車が空いているうちに家に帰ってきた。
「今日はありがとう、楽しかったね。1日遊園地にいた気分だった」
冷たい麦茶を入れようとして冷蔵庫の前に立ったらナツ君もついてきて、背中にぴったり抱きつかれた。顎を肩に乗せてくる。
「なんでもう締めようとしてんの?」
「だって、明日はナツ君お仕事でしょ?」
ちょっとだけ顔を見たら、絶対に一佳君がしない顔をしてた。
ぶすぅ、って。拗ねた子供みたいな。
「何それつまんねー。もうマネージャーじゃないんだし、他に言うことないの? ふたりの時間はこれからじゃん」
あと、私がどれだけあたふたしても、当たり前みたいに腰に抱きついてくる。
青山一佳はあんなにクールなのに、柊那月はかなりひっつき虫。
隙なんか見せてるつもりはないのに、簡単にゼロ距離まで詰めてくる。
触れられるとこならどこにだって構わずキスするし、そうやって際限なく甘やかしてくる代わりにやきもち妬きで執着強め。
私が耐えられる範囲でならかなり強引なことをしてくるし。意地悪なのもこの通り相変わらず。
そうか、これがナツ君なんだ。



