全部にときめいてあれもこれも試着したけど、結局一目惚れしたあの服を最後にもう一度着た。
カーテンを開けてナツ君にお披露目するのが照れくさかったり恥ずかしかったりで感情が忙しい。
少し大人っぽい、着たことのない艶々した生地の小花柄のワンピース。ナツ君に相応しい女の子になりたくて。
でも背伸びしすぎかも。
カーテンから顔だけ出してナツ君を呼ぶと、そわそわとゆっくりオープン。
「これ、どうかな?」
ワンピースに着替えた私を見て、ナツ君は顔半分を手で覆ってしまった。
「ごめん、ちょっタイムで」
「なんで? どーしたの?」
やっぱり変だったかな。
「いや……めっちゃ可愛い。可愛いすぎて心臓いたい……今致死量くらってる」
両手で顔を隠してるから大袈裟すぎない? って顔を覗き込んだら背中を向けられた。
あれ、耳が赤くなってる?
まさかあのナツ君が?
「ねぇナツ君、照れてる?」
子供なのでストレートに聞いてしまう私。
「うるさい……声でけーし」
こっちに背中を向けてやっぱり逃げるナツ君。
あのクールな一佳君が今、うろたえたよね?
意地悪那月が照れたよね?
ワンピ効果だとわかってるけど、嬉しくてたまらない。



